蒸し暑い夏の日、義姉妹は狭い一つ屋根の下で同居生活を送っていた。
互いに大切な家族として接してきたはずなのに、最近、微妙な空気が流れていた。特に二人きりになると、何かが張り詰めたような緊張感が漂う。
その夜も、クーラーの故障で蒸し風呂のようなリビングに二人はいた。
汗ばむ肌を気にしながら、義妹はタンクトップの裾を引っ張って風を入れる。
ふとした仕草が義姉の視線を引きつけ、目が合った瞬間、二人は何かを悟ったように黙り込んだ。
「暑いね……」
「うん……」
短い言葉が交わされる中、義妹がそっと立ち上がる。
「シャワー浴びてくる。」
義妹の背中を見送る義姉の心はざわついていた。普段なら何とも思わないはずなのに、汗ばむ肌が見え隠れする姿が頭から離れない。
数分後、シャワーの音が止んだ。義妹がタオルを頭に巻きながらリビングに戻ってくる。濡れた髪から滴る水滴が、義姉の胸に不思議な感情を呼び起こした。
「次、お姉ちゃん行ってきなよ。」
義妹が促すが、義姉は立ち上がる代わりにそっと手を伸ばして彼女の濡れた髪に触れる。
「なんか、汗も匂いも、全部……不思議と嫌じゃない。」
義姉の言葉に、義妹は驚いたような表情を浮かべるが、次第にその瞳が揺らぎ始めた。
「お姉ちゃん……何言ってるの……」
戸惑う声を上げながらも、義妹の体は拒むどころか、むしろ引き寄せられるように近づいていく。
汗に濡れた肌と肌が触れ合った瞬間、二人は堰を切ったように感情をぶつけ合った。誰にも許されない、けれど抗えない禁断の蜜戯。
互いの汗と体温が絡み合い、二人だけの世界に沈んでいく。
「もう戻れないね……」
耳元で囁く声に、義妹は震えながらも頷いた。その瞬間、二人の間に残されていた境界線は完全に消え去った。
夏の熱気に包まれながら、二人は蜜に溺れるように、深く深く堕ちていったのだった。