■ストーリー
「……そんな顔するの、ズルいよ」
婚活センターで“慧”と再会した。
俺は利用者、彼女は担当として。
笑い合う幼馴染の左手には指輪が光っていた。
居酒屋でお互いのこれまでを語り合った後、酔いの回った彼女を家まで送り届けた。
立派な自宅、夫婦の写真、妊活用の薬。
現実を前に胸が痛んだ。
「俺、そろそろ――」
帰ろうとした俺の腕を、彼女が掴んで――
僅かな間でもいい、最低の行為でも構わない。
……初めて好きになった人と、恋ができるなら。
■登場キャラクター
●星屋 慧
“理”の幼馴染。
お互いを意識した事はあったが、関係を発展させられないまま離れ離れに。
大学時代に出会った別の男性と結婚し婚活センターで働いている。
「アタシもね、好きだったんだよ。あの頃の理がさ……ずっと、ね」