■ストーリー
天国は封鎖され、地獄は水没した。
無数に並行する世界は、その悉くが枯れ果てていく。
生き残った天使と悪魔は、最後の希望を抱いてその地に集った。
浮遊する煉獄――――“東京バベル”
人間と共に全七階層から成るバベルを巡礼し、ヤコブの梯子(はしご)より天国の門を再び開く。
それは天への贖罪である。
だが、その目論見は破綻した。
狂乱する巡礼者たちは、東京バベルの階層を支配し、全てを破壊し尽くそうとする。
一進一退が続く中、一人の少年が滅び行く世界から救い出された。
天道刹那――生まれついてから人間として扱われなかった少年。
彼は自分を救った“夜の魔女”リリスと共に、東京バベルの踏破を目指す。
――――教えて。何故、貴方は生きようとするの? その問い掛けへの答えを探しながら――――
登場キャラクター
●天道 刹那 (CV:神谷浩史)
ロボットのようであり、アンドロイドのようであり、サイボーグのようであり、つまりは人間から程遠い少年。
リリスによって東京バベルへと召喚され、天国へと至る為の露払いを命じられる。
天使や悪魔に比肩し得る運動神経、血中のナノマシンによる高速自己修復など、尋常ならざる戦闘力を誇る。
……人間でありながら人間であることを止めさせられた、外典(アポクリファ)の怪物。
感情に乏しいというよりは、軋んでいるといった方が正しい。
何しろ、生まれ落ちてからロクに使用していなかったので。
●リリス (CV:沢城みゆき)
“夜の魔女”の異名を持つ悪魔。
人類最初の女性、イヴより以前に創造された少女。
アダムの最初の妻になるものの、即逃亡。
並行世界と地獄をぶらついていたが、神災により東京バベルへ逃げ込んだ――
ということになっている。
何とも飄々としていてつかみどころがなく、何かを企んでいるのかいないのか、考えているのかいないのか、それすらもあやふやな幻の女。(ファントム・レディ)
雨にも風にも勝てないが、いつも愉快そうに笑っている。
ただ一つだけ確実なのは、彼女は娯楽を第一に考えているのだろう、ということくらいである。
……天道刹那を見出した少女。
哀れみではなく、好奇心によって彼を救う。
●ラジエル (CV:花澤香菜)
“神の秘密”の名を冠する天使。
宇宙創世のすべてを綴った書物”天使ラジエルの諸”(セファー・ラジエル)の所有者であり、かつては楽園を追放されたアダムに、本を渡して知恵を授けた。
本が好き。
本ならばたとえそれが文庫だろうがハードカバーだろうが電子書籍だろうが羊皮紙に書き込まれたものであろうが、全部好き。
最早、信仰に等しいビブリオマニア。
左手のタブレットPCには、無数の電子書籍と無数の胡散臭いファイルがあるとかないとか隠しファイルにしてパスワードまでかけているとか。
……過去の記憶を一部喪失している。
それを気にしないのか、目を逸らしているのかは定かではない。
自分は天然キャラを作っているのだクシシ、と思っている紛うことなき天然タイプ。
●久沓 空美 (CV:伊藤かな恵)
第一階層の支配者によって、犠牲者として東京バベルに召喚された人間の少女。
殺されかけていたところを刹那に助けられる。
東京バベルに辿り着く以前の記憶が無く、他に頼るべき人も、行くべき場所も無いため、共に行動することになる。
怪物じみた天真爛漫さを誇る。
天使と悪魔が存在し、自身は記憶も喪失していて、更には世界的規模の危機であると聞かされてもなお、呑気に構えているあたり、並大抵の胆力ではない。
……彼女には、核となるものが何もない。
それ故に、どんな存在にも柔軟に対応できるのだろう。
世が世なら、世界を股にかけるアイドルになれたかもしれない、とはリリスの弁。
●アダム (CV:櫻井孝宏)
勇者にして英雄であり原初の人間……ではあるが、世に知られているオリジナルのアダムではない。
東京バベルの現状を打開すべく、天使たちによって造り出された存在。
致命的を通り越して清々しいまでに空気も読めず、刹那を上回るほど感情が乏しい。
そもそも、目的遂行に置いて感情など必要がない。
それ故に、彼は一切の情を持たない。
ただし、物事には常に例外というものがある。
例えば、あらかじめ情を持つが必然と定められている人物はその限りではないだろう。
刹那がこの東京バベルにおいて唯一、拒絶し、憎悪している存在。
●イヴ (CV:茅野愛衣)
アダムの妻にして原初の人間。
物腰穏やか、礼儀正しくしっかりした少女だが、やや内気な性格で、基本的にはアダムの後ろに付き従って行動していることが多い。
誰かに流される少女。
ただし、その流れには自ら身を投じることも多い。
そこには「留まっていたところで何にもならないから」という絶望的なまでの諦観がある。
彼女が東京バベルに居るのも、ただ流れ着いた結果に過ぎない。
……まさかそこで、アダムと再会するとは本人としても予想外だっただろうが。
●アスタロト (CV:竹内良太)
“地獄の大公”にして、東京バベルとパンドラの設立に関わった人物。
現在はパンドラの最高責任者として、校長室に居を構えている。
女神イシュタルを源流としており、そのためか中世的な雰囲気を感じさせる青年。
対立していた魔王たちが存在しない今、実質上、パンドラの最高権力者といって良い。
とは言え、滅び行く世界の支配者となって何が楽しいものだろうか。
いや、案外楽しんでいるのかもしれないが。
●カマエル (CV:阿部敦)
“神の力”の名を冠する大天使で、破壊天使を率いてパンドラの保守管理を行っている。
四大天使が行方知らずの今、彼が天使たちを指揮しており、普段は生徒会室で次から次へと舞い込んでくる問題に頭を悩ませている。
根性論者とよく言われている。
だが、彼とて戦う為には策が必要だと理解している。
策を講じた上で、それでも敗北する可能性が高いときこそ根性が必要なのだ――と思っているだけである。
●ベリアル (CV:稲田徹)
“地獄の法学者”と呼ばれる魔王であり、パンドラでは教鞭を執っている。
パンドラにおいて最も中立的な立ち位置の人物であり、気さくな人柄もあってか周りからの信頼は厚い。
厳つい体育会系の外見とは裏腹に、「文系中の文系」であるとは本人談。
アスタロトと並ぶ実力の持ち主であるが本人は勢力を有することなく自由に活動している。
●ルキフグス (CV:山本兼平)
“地獄の大宰相”にして、アスタロトの側近。
普段は影の中に潜り込んでおり、必要なときだけ姿を現す。
その行動(と性格)のためか、周りから辛気臭いと思われていることを内心気にしている。
●ダンタリオン (CV:斎賀みつき)
一つの脳に対して、複数の身体を持つ“群体”と呼ばれる存在の悪魔。
数え切れない程のダンタリオンが存在する。
基点は同じでも、肉体は別物として生活している為、内面的にも微妙な差異が生じている。
全世界の全書物が存在すると言われるパンドラの図書館の管理を任されている。
あまりの本の量が莫大であるため、やっと全書物の七割程の整理が終わったところだとか……
ちなみに、内面的にはどのくらいの差異があるのかというと好みのカップリングの攻めと受けが逆転するくらい。
●サマエル (CV:喜多村英梨)
不死身にして不老の蛇の化身である、毒と死を司る堕天使。
神災を起こした首謀者と目されている少女。
可愛らしい見た目に反して、非常に残忍な性格で、敵対する者全てを死神鎌(デスサイズ)で葬り去る。
曖昧、曖昧、何もかもがひたすら曖昧。
もしかして冤罪なのかもしれない。
自分は、何一つ――大したことをしていないのかもしれない。
だが、それが一体何なのだろう。
つまるところ、彼女は楽しいのだ。
そして毎日が充実している。
ならばまあ、あまり問題はないだろう。
天道刹那は一目会ったときから、割とお気に入り。
ああ嬲りたい弄びたい。
●ウリエル (CV:岡本信彦)
“神の炎”を名乗る天使最上階位熾天使(セラフ)にして四大天使の一人。
神災以降、その行方が分からなくなっていたが、すでに壊れた存在となっている。
執拗にラジエルを付け狙ってくるが、その真意は不明。
外見はともかくとして。
中身は既に灰燼と化している。
あらゆる説得を無効化し、強烈なまでの殺戮衝動に狩り立てられている。
彼が攻撃をしない存在がいるとすれば、彼が信奉する者だけだろう。
●ゲテル (CV:大久保瑠美)
“隠された事柄”を司る天使だったが、精神を破綻させ支配者になってしまった。
天使階級は中級第五位と、大天使たちと比べると見劣りするが、彼女の持つ瞳は、あらゆる真実を見抜くという特殊な力を備えている。
全ての始まり。
彼女の瞳は見たいもの、見たくないもの、見てはならないもの、目を逸らしてはならないもの、全てを暴いてしまう。
それ故に、彼女は破綻した。
●刳狼 都 (CV:今井麻美)
天使を喰らい支配者になったとされる少女。
その背中には天使の光翼が薄く輝いているが、一体どの天使を喰らったのかは定かではない。
生まれついて「針」を持っている。
その針は彼女が親しんだ、ただ“一頭”を覗いてあらゆる者に突き立てられる。
●押刃 鋼 (CV:鈴木千尋)
支配者と思われる少年。
彼を守護していた天使や悪魔、経歴など素性不明。
野太刀を操る神道白山流なる剣術を使う。
……それ以外の詳細は一切不明。