女神に祝福されし大地、ハイラル。
この地には、名君として知られるハイラル国王と、
その娘である1人の姫君がいた。
彼女の名前はゼルダ。
七賢者の血を引くゼルダ姫は聡明で、
強大な魔力の持ち主でもあった。
幼さを残しながらも気品を感じさせる端正な容姿。
王族でありながら平民にも分け隔てのない、慈悲深い性格。
そんな彼女はハイラル国民の誰からも愛され、
国王以上の絶大な人気を誇るほどだった。
彼女の持つ聖なる力が、ハイラルに永劫の平和を
もたらしてくれる。
ハイラルの民たちはそう信じていた。
ハイラルの民たちに愛され、日を重ねるごとに
美しく成長していくゼルダ姫。
そんな彼女に求婚を申し込む者は後を絶たなかった。
七賢者の血を引くという高貴な血統、
可愛らしい容姿、清純な性格、彼女が持つ聖なる力。
求婚の理由は様々であったが、どんな大国の王族から結婚の
申し出を受けても、ハイラル王が首を縦に振る事はなかった。
善政を敷き豊かな国を栄えさせる国王。
聖なる力を持つ美しい姫君。
彼らの統治するハイラル王国は紛争や反乱などとは無縁で、
恒久の平和が約束されているのだと誰もが信じていた。
だが、1人の男が現れたことでその平和は脆くも瓦解する。
全ては変わってしまった。
突如現れたアグニムという名の闇の司祭。
気品ある立ち振舞いと裏腹に、その本性は残虐だった。
彼は魔法を使って民を救い王国に取り入ると、
甘言を弄して国王に接近。己の魔法で近衛騎士を操ると、
国王を殺害しハイラルを簒奪した。
さらに彼は、七賢者の血を引く娘たちを集め、
怪しげな儀式の生贄として捧げていく。
聖なる力を持つゼルダ姫だけは手出しできない
ようであったが、それも時間の問題だった。
牢に繋がれたゼルダ姫は、残されたわずかな時間を使い、
必死の思いで念話(テレパシー)を送る。
「助けてください……私の名はゼルダ。
お城の地下牢に捕らえられています」
シナリオ解説画像を含め、本編500枚です。
※ シナリオ解説画像を除き、テキスト・擬音等はありません
イラスト:reapersthighs 様
(画像の生成にStable Diffusionを使用しています)
シナリオ:ジョー岡田