「おれ」はある時から電車での通勤途中に見かけた「あの子」とまた会えるようにとメモをつけるようになったらしい。時刻、号車、どのドアから乗りどこに座りどこで降りるか……などなど。事前にリサーチした通りに「あの子」が現れるのはゆううつな朝の中のヨロコビだった。男としての妄想も欲望も日に日にどんどんふくらんでいった。しかしある日「おれ」は失業し「あの子」を見かけることはなくなった。それでもそのメモだけは残りそれはいつからかシュミのようなものになっていた。そして今日も同じように電車にまぎれてはターゲットとなる獲物探しにあけくれるのだったが……。
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