直樹の視線が痛いくらいに私の下半身に突き刺さってくる。
「月でも見ていて」
「無理っしょ」
彼はひたすら観察している。
「恥ずかしいですよ」
生まれたままの姿になった私は、ベッドの上で直樹に飛び掛かるようにしがみつく。
「寧さん、すげえすげえ綺麗だよ。これで手術で死んでも後悔ないよ
泣きそうな顔で直樹が言った。
「縁起悪いこと言わないでください」と言って、私はまた直樹の口を自分の唇でふさいだ。
「どうすればいいの」
直樹が言ったので、私は直樹の瞳をまっすぐ見つめた。そういう台詞を残して死んだ人を思い出して怖くなる。
「自分で考えてよ」
「え」
「生命力見せて、あなたは強い男の子よ」
私は直樹の瞳が震えるのをまっすぐ見ていた。
「よーし」
直樹は、いきなり私に寝技をかけるみたいに覆いかぶさってきた。
「重たいよ」
「あ、ごめんね」
「嘘だよ」
私はちろっと舌を出して微笑む。直樹はふふっと子供のように笑った。直樹の重さだったら何千キロだって耐えられる。
イラスト by novel ai