【内容量】
全68ページ
【あらすじ】
十年ぶりに同窓会招待状がラインで届いた。参加メンバーを見ると懐かしいメンツもいて、久しぶりに会いたいなと思い参加することにした。
「あれ、あんたキモテツじゃない!」
「その言い方……もしかして、美代子か?」
俺の声に、美代子は大きな舌打ちをした。
「下の名前で呼ばないでよ! キモテツのくせに、本当気持ち悪い」
●●二年生の時、俺はとびきり美少女だった美代子という女と同じクラスになった。当時少し太っていて、女子と目を合わすのすらドキドキする程奥手だった俺と美代子は、同じクラスになるまで接点などゼロだった。たまたま席替えで俺が後ろで美代子が前の席になった時、彼女は俺を軽蔑するような視線を向けながら「気持ち悪い」と言って座った。
話したこともない女子に突然気持ち悪い宣言され、しばらくショックで何も考えられなかった。だが、美代子はことあるごとに俺に対して暴言を吐き出し、それはクラス中の女子に伝染していった。美代子のせいでクラス中の女子からことあるごとにくすくすと笑われ、俺の●●二年生は最悪だった。
「どうしたの美代子。ってもしかしてキモテツ?」
「うっそー! めっちゃかっこよくなってんじゃん」
酔っ払った美代子の周りに他の女子たちが集まってきて、俺に黄色い声を浴びせる。美代子に散々気持ち悪いと言われてショックだった俺は、大学生デビューするため必死で体を鍛え、細マッチョに肉体改造したのだ。ウケが良いのか、大学時代はそれなりに彼女もいた。
「ねぇねぇキモテツ、よかったら私達のグループで飲まない?」
「……俺の名前、キモテツじゃなくて倉橋哲也なんですけど」
「ごめんってぇ〜、哲也くん、一緒に飲もうよ。良いでしょ、美代子」
手のひらくるりした女子たちは俺の両脇を掴んで席へと移動させる。まぁ、悪い気はしない。だが美代子は俺を睨みつけ、ぷっと鼻で笑った。
「はぁ? ●●時代から変わんないじゃん、キモテツはキモテツよ」
美代子は俺の外見が変わらなくてもこのままのようだ。憎たらしいが、彼女らしい。
「ちょっと美代子、もうお酒やめときなって」
「いいのいいの! 今ダーリンが単身赴任中でさぁ。だから、久々にハメはずして飲むぞ
〜?」
お酒がさらに進み、美代子はべろんべろんになっていた。彼女の友人達は介抱するのを嫌がり、みな二次会に参加してくるねと俺に美代子を押し付けた。
「おい!」
「どうせ泊まってるホテル同じ何でしょ? なら部屋まで送り届けてあげてよ〜」
「送り狼になるんじゃないわよ、美代子もうすぐ結婚するんだから」
ケラケラと笑いながら、美代子の友人達は俺と美代子をタクシーの中に押し込んだ。
「勝手なこといいやがって」
誰がこんな中身最悪な女に手を出すかっての。はぁと大きなため息を一つ吐いて、運転手に住所を告げる。
「むにゃむにゃ、ねぇ茂ぅ〜えっちしよぉ、えへへ」
美代子は俺の腕に絡まって、頭をぐりぐりと押し付けてくる。酒と混ざりあった美代子の匂いが俺の鼻腔をくすぐる。どうやら俺を彼氏と勘違いしているらしい。
(しっかりしろ、俺!こいつはあの美代子だぞ?)
タクシーに乗っている間、ずっと美代子への憎しみと欲情がぶつかり合っていた。ようやくホテルに到着した時には、俺の我慢はもう限界に達していた。
「はぁはぁ、どうなっても知らないからな、お前から誘ってきたんだ」
俺のことをイジメていた女を犯して絶頂させて膣内射精して、男相手に生意気な口きいたことを後悔させてやる。