平成元年。小さな会社で仕事をこなすベテランOL・東条真咲。彼女には誰にも話せない秘密があった。
それは、かつて男として生きてきたという事実。その過去は、激動の昭和という時代に深く刻まれる。
東条家の長男として育てられ、一族の期待と繁栄を一身に背負ってきた真咲。
家父長制が支配する社会で、男としての役割を果たすことが当然とされていた。
しかし、ある禁忌を破り、真咲は男から女へと変わり果ててしまう。
これまでの生活や価値観が一変し、真咲は女として生きることを強いられ続ける。
圧倒的な社会の重圧に苛まれ、女としての人生を歩むことによる苦悩が深く心に刻まれていく。