【内容量】
全66ページ
【あらすじ】
「ワタル……本当にきたのね」
嫌そうな顔で俺を見上げているのは、元カノのエリナ。
広い玄関に立つエリナを見ていると、自分の現状と比べてムカついてきた。
〇キの頃にした悪さのせいか地元で就職もできずに、未だにバイトで生計を立てる俺と違って、エリナは結婚して子どももいる。
一体どこで差が開いたのか……考えたくもない。
「さっさと帰ってちょうだい」
「お前さ、俺にそんな口聞いていいと思ってんのか?」
俺はエリナにスマホの画面をちらつかせた。ここには、俺たちが付き合っていたときのハメ撮りが残されている。
「旦那はお前が元ヤンだったことも知らねえんだろ?」
「それは……っ」
「シャブやらウリやら……バレたらどうなるんだろうな」
エリナが悔しそうに俺を睨みつける。
見た目が変わっても、気が強いとこは変わってないらしい。
「おいおい、自分の〇キにもそんな顔見せてんじゃないだろう?な?怖え顔」
「なっ……!あんたじゃなけれ?ば、こんな……!」
「俺はその顔、けっこう好きだったけどなー」
「ふざけたこと言わないでよ!」
「ふざけてなんかねえよ。エリナの気が強いとこも、セックスになるとザコなとこも好きだったよ」
そう、俺はエリナを本気で好きだった……。
地元で結婚して、〇キを作って、暮らしていくもんだと思い込んでいた……。
「キモ。付き合ってたの、いつのことだと思ってんのよ……」
それなのに、エリナをあっさり俺を振って、結婚していやがった。
けどまあ、まさかこんな近くに住んでいたとは……。
エリナの昔の友だちなんかから辿って、この家をつきとめた。事前にメッセージを送っても無視されていたが……
こっちにはハメ撮りもある。
「ただ遊びにきただけ、なんて思わないよな?」