戦隊ヒロインのショタコン・コメディー!
【作品内容】
ページ数:80頁(表紙等含む)
表紙のみAIを一部利用しております。
※どちらかというと『ショタおね』です。中盤から『おねショタ』ありw
本編、冒頭
【体験版に、続きがもう少しあります!】
その昔、この世を暗黒の闇に突き落とした〝刃鬼罵牙〟という妖魔軍団がいた。
だが、その異形の者たちと戦う〝獣忍〟と呼ばれる忍者たちが現れ――。刃鬼罵牙一族は、その者たちと共に闇へと消えた。
時は、現代。
再び、この世を我が物にしようと刃鬼罵牙一族が復活してしまった。
だが、しかし――。やはりと言うべきか、それを予言していた影の忍者組織があった。
その名は…我らが、獣忍戦隊ジュウニンジャー!
獣忍戦隊ジュウニンジャーは、総勢十人のメンバーで結成された戦隊チームで――。百代目頭首、猿飛佐之助と共に戦う運命を背負い、集められた忍びの戦隊である。
そんな獣忍戦隊の通常勤務――。刃鬼罵牙一族の襲来がない日常でも、獣忍戦隊のベース基地にて三人編成の三交代制で常駐し、世界の平和を守っていた。
今回の物語は、その中の――。常駐勤務を終えて、自宅で過ごしていた獣忍戦隊メンバー、ジュウニンピンクの話である。
彼女の名前は、 。
「どんな屈強な敵が現れても決して負けない!立ちはだかる壁は、必ず越えてみせる!」
それが彼女…ジュウニンピンクの決め台詞だった。しかし――。
「すみません!どなたか応答してください!どなたか、いらっしゃいませんか!」
ジュウニンピンクこと宇津串 美弥は、自宅マンションのエレベーターに閉じ込められていた。
それは、数十分前の事。自宅でのんびり過ごしていた美弥のもとに、獣忍戦隊ベース基地から『刃鬼罵牙一族の多発総攻撃が開始された』との緊急召集を受けた。
それにより、直ちに獣忍戦隊から支給されている制服に身を包んで、自宅マンションの自室がある五十五階からエレベーターに乗り込んだのだが――。
その途中、大きな地震に見舞われ、美弥はエレベーターに閉じ込められていたのだった。
エレベーターに設置されている緊急連絡ボタンを押しながら、この超高層マンションの管理室に繋がっていると思われるマイク部分に、美弥は声を掛け続けていたが、、、、先ほどの地震でマイクに異常が発生したのか、一向にそれに応えてくれる返事はなかった。
だが、美弥の呼び掛けを聞いていた者は居た――。それは、美弥よりも先にエレベーターに乗っていた一人の少年だった。その少年は、エレベーターの隅っこでうずくまり、顔を伏せている様子から半泣きになっている事が伺える。
エレベーターの緊急連絡ボタンに救出の目処が立たないと踏んだ美弥は――。少年のもとに、近づいてしゃがみ込んだ。
「ねぇ… ボク、お名前は? おねえさんは、美弥って言うの」
美弥の呼び掛けに、少年は半泣きの顔を上げた。
「ボ、ボク… モブ太…」
「モブ太くんね♪おねえさんが、ついてるから心配いらないからね!」
美弥は〝モブ太〟と名乗る少年の頭を撫でながら、優しく言った。
「でもぉ… さっきから誰も助けに来てくれないよ」
「………」
モブ太の言葉にバツの悪さを感じた美弥は、エレベーター脱出のための次なる作戦を実行しようと決めた。
「ねぇ、モブ太くん、獣忍戦隊ジュウニンジャー知ってる?」
「うん!知ってるよ!ボク大好き!!」
ジュウニンジャーと刃鬼罵牙一族の戦いは――。刃鬼罵牙一族の襲撃により、テレビ各局が緊急ニュースとしてライブ中継し、ジュウニンジャーの活躍は世界中の子供たちが応援する憧れの存在になっていた。
「実はね… おねえさんジュウニンピンクなんだぁ~♪」
「え!?ホントに?」
本来、影の忍者組織・獣忍メンバーは、その正体を民間の一般人に伏せていたのだが――。このエレベーター内に閉じ込められている緊急時を対処するため、美弥はその正体を明かしたのだった。
「ホントだよ…見てて♪」
「変身!」
バシュゥウウウウウウウウウウ!グルルゥルゥゥウゥゥウゥウゥ!!!!
美弥が腕に着けている風車のモチーフをしたブレスレットを回すと――。それは風と共に光を放ち、美弥をジュウニンピンクの姿に変えた。
ピィッカァアアアアア……ン!!!
その姿は、美弥の隠しきれない豊満なバストと、キュっと締まったウエストから出ているヒップラインを露わにさせる形で、ピンクの戦闘スーツがその全身を包み――。美弥の清廉可憐な顔は、猫をモチーフにしたヘルメットで覆われていた。
「どんな屈強な敵が現れても決して負けない!立ちはだかる壁は越えてみせる!ジュウニンピンク!!!」
美弥は、半泣きのモブ太を元気づけようと――。密室のエレベーター内で、全開フルバージョンのポーズを決めた。
「うわぁ♪本物だぁ!!♪」
ジュウニンピンクを目にしたモブ太は心を踊らせながら、ボディーラインが露わになっている戦闘スーツの美弥に抱きついて来た。
「もっ、モブ太くん…!?ちょっと放れてくれるかなぁ…」
モブ太が美弥に抱きつくと――。その顔は、丁度、美弥の胸元の高さで…少年は、美弥の豊満な胸に頬擦りをしていた。
そんなモブ太に、美弥はそれに抵抗を感じながらも、無邪気な○供のやっている事と頭を撫でながら受け入れていた。そして、落ち着きを取り戻したモブ太が彼女から離れると、美弥はエレベーターの扉の前に立った。
「モブ太くん… 扉開けるから離れててね」
「うん!」
美弥は、緊急連絡ボタンで応答を待っている間、エレベーターの扉が開かないものかと何度か試みたものの、、、、忍の鍛錬を受けているとは言え、『変身前の力では、どうにもならない』とした結果――。モブ太に正体を明かし、ジュウニンピンクのパワーでエレベーターの扉を開けて脱出をする方法を実行しようとしたのだった。
そんなジュウニンピンクのスーパーパワーを目の前で見れるとして、モブ太はワクワクした気持ちを体全身で表しながら、美弥の後ろ姿を観ていた。
ググガガガ……!!!!
「壁かぁ… どうしよう…」
ジュウニンピンクに変身した美弥が力づくで開けたエレベーターの扉の先は――。超高層マンションの階層途中、コンクリートの壁があるだけだった。
『電波障害なのか、仲間への通信も途絶えた状態だし…』
『こうなったらエレベーターの天井、もしくは床を突き破って脱出する?』
『でも… ここがマンションの何階かも分からないし…』
「ましてや… 私一人なら、ともかく…』
美弥が、行き詰まった壁を見つめながら、次なる脱出作戦を思案していると――。後ろから、エレベーターの床を足踏みする音が聞こえて来た。
その足音は、当然、モブ太であったが――。振り返った美弥は、先ほどまで元気だったモブ太が顔を曇らせて股間の当たりを両手で押さえながら、どこかへ走り出したいような足踏みをしているのを目にした。
「どうしたの?モブ太くん!」
美弥は、モブ太の今にも泣き出しそう顔に――。戦隊ヘルメットを外して、目線を合わせるようにひざまずいた。
「おねえさん! ボク…オシッコぉ~!!」
「おしっこ!?」
【体験版に、続きがもう少しあります!】