怪人を斃すために、怪人になった。
正統派変身怪人バイオレンスアクション、オールド・スパイダーです!
昭和の因果が現代に破滅をもたらすさまに、あなたはきっと戦慄することでしょう。
戦後の混乱期のカオス描写には自信があります!
ペンネームは以前のもの(原田修明)を使っています。
あらすじはこちら!
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あの巨大なバッタが、みつ子の幼く白い身体をうつぶせに組み敷いていた。
電柱のようなバッタの胴の先端は、みつ子の股の間に消えていた。
みつ子の顔は、墨で塗られたポスターのように、見えなかった。 頭が想像することを拒んでいた。
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絶叫が喉を震わせる。
全身に、タワシのような毛が生えた。
きつく巻いた包帯を突き破り、肋骨から蟲の脚が現れた。
額の肉がうごめき、視界が六角形、八角形、十二角形になっていった。
犬歯がぐんぐん伸び、下唇を削った。
やがて、体の変化が止まった。力が全身に溢れている。初めての経験だった。
前を向いているはずなのに、左右と上が同時に見える。
手足の先は槍のように鋭く、それでいて繊細な感覚があった。
窓ガラスに、俺の姿が映った。
剛毛の生えた赤黒い皮膚。顔にある八つの眼。長い牙。脇腹から生えた八本の脚。
これが、俺か。