好きだったお姉さんは、知らないおじさんのモノだった。
夏休みになると、僕は田舎にある母親の実家で過ごすことになっている。
コンビニまで片道30分かかるような田舎での生活は退屈でしかない……
「あーっ、涼也くんじゃん」
琴音さんと会えることを除けば。
近くに住んでいる琴音さんは、こんな田舎にいるのが不思議なほど綺麗なお姉さんだ。
こんな女性と付き合えたら……なんてバカみたいな妄想をついついしてしまう。
「ねえ、よかったら……祭り一緒に行かない?」
でも、そんな僕の気持ちを知ってか知らずか、琴音さんのほうから夏祭りに誘ってくれた。
琴音さんと二人で……祭りに!?
嫌でも高鳴る心臓。
もしかして、僕にもついに青春がやってきたのかもしれない……
しかし、現実はそんなに甘くなかった。
僕はなにも知らなかった。
琴音さんが抱えている秘密のことを──
本編50P・おまけイラスト50P【注意事項】
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