■ストーリー
「うわ……。またやっちゃった……」
僕・代田薫は、自分のデスクでひとりうなだれる。
就職してからというもの、僕は些細なミスを繰り返していた。
「どうせ僕は、何をやってもダメなんです……」
思わずそんな言葉がもれてしまう。
「そんなことないわ。あなたは真面目に頑張っているじゃないの」
慰めも、僕の心には響かない。
「僕……今月いっぱいで会社を辞めます。使えない僕に色々と教えてくれて、ありがとうございました」
「待ってっ! 君は、ここにいなきゃダメ。ここに必要な人よ」
「じゃあ、僕のことをどう思ってるんですか? 教えてくださいよ。仕事ができるとでも言ってくれるんですか?」
そして主任は、わずかに顔を赤らめ――。
「だってあなたのおかげで、私は前よりも楽しくて……私は、君のことが好き。君は頑張ってるし、落ち着いて慣れていけば仕事もすぐできるようになるわ」
「えっ?」
『君のことが好き』と聞こえた気がするのだが……。
(こんな美人で仕事のできる女の人が、僕なんかに告白してくるわけがない! それ以前に、この人、結婚してるしっ!)
「ふふふ……。こうすれば信じてくれるかしら?」
なかば呆然となっている僕をぐいっと引っ張っり奈緒美さんの身体のすぐ近くへと惹き寄せられ……。
■登場キャラクター
●高井戸 奈緒美
主人公の直属の上司。
29歳の人妻。
おっとりとした性格。
夫とは仲が良いがレス気味で性欲を持て余している。
ちょっとダメな男が好き。
「甘やかしてあげたくなるような…ちょっとダメな男が好みかな」
●代田 薫
中小企業に勤めるサラリーマン。
温厚な性格だが上手くいかないことがあるとすぐ弱気になる。
奈緒美のことは優しいお姉さんとして認識している。