「君の心に、未知の色を——」
盲目の画家リルヤと、元気いっぱいの助手ナツカが、依頼人に秘められた謎を解き明かす心温まる物語。
ストーリー
いつだって、あなたという光を通して世界は形を変え、あなたの抱く花で、世界は塗り替わる。
ネットを密やかに流れる噂がある。
正体不明の天才画家が、依頼者のためだけに素晴らしい絵を描いてくれる。
ただしその画家は気まぐれで偏屈、権力や金では決して動かず、気に入った依頼だけを受けるのだという。
そんな謎めいた基準で選ばれた依頼者の前に現れるのは、
長い銀髪と宝石のような瞳を持つ、冬の妖精のような美少女画家――リルヤと
リルヤの家に住み込みで働く元気いっぱいの助手の少女――夏夏(なつか)。
しかし、画家である少女の目は光を映さず、車椅子に乗っていた。
「大丈夫です。わたしがリルヤさんの新しい目と足になりますから!」
夏夏は、依頼者とリルヤのために奔走し、本能と直感でリルヤの求めるインスピレーションの源泉
――暗闇を切り裂き、世界を新たに照らす『光』を語る。
「なんかわかんないんですけど、そんな気がしたんです!」
「我が鳩は、橄欖(かんらん)の葉を携えり。あとは――私の仕事だ」
追憶の青、怪物の緑、殉教の赤――
リルヤは、夏夏から得た『光』を元に、依頼者が望む以上の絵を描き出す。
「お前の目を通して見る世界は、私の目で見ていた世界よりも美しい」
これは過去に痛みを抱く少女たちが、新しい未来を得て歩き出すまでの、喪失と再生の物語。
登場キャラクター
●リルヤ・メリ (CV:高柳知葉)
車椅子に乗る盲目の少女。
欧州の北方にある小国のお姫様。
長く美しい銀色の髪を持つ、雪の妖精のような美貌の持ち主。
背も高く非常に大人びているものの、まだティーンエイジャーである。
過保護な家族から離れるために、祖母の故郷である日本で暮らしている。
合理性と効率性の塊。
天賦の画才を持ち、見る者の世界を変える絵を描く。
「我が鳩は、橄欖(かんらん)の葉を携えり。あとは―私の仕事だ」
●空木 夏夏 (CV:伊駒ゆりえ)
リルヤの家に住み込みで働く元気印の少女。
下手したら小学生に見えなくもない見た目だが、立派に成人している。
めちゃめちゃ力持ちで、はらぺこさん。
目が見えず、足が動かないリルヤに、絵を描くインスピレーションをもたらすための新たな目と足になろうと、日々奮闘している。
本能と直感で突っ走るタイプ。
「リルヤさんの絵は、本当にすごいんです。見る人の世界を変える力を持っているんです」