■ストーリー
――『四君子(しくんし)』。それは――
崇 笹丸(すう ささまる)
与神 ひよ(くかがみ ひよ)
夢乃 蘭(ゆめの あららぎ)
樫 春告(かし はるつげ)
一人の少年と三人の少女からなる、子供の頃の仲良しグループ。
けれど別れることになってしまった、今はなき仲良しグループ。
再び出逢えることを誰よりも楽しみにしていた笹丸に訪れた、夢見鳥学園入学の知らせ。
少女たちもまた、夢見鳥学園『赤組』の生徒として合格したという。
だが、学園で再会した少女たちの態度は実にそっけないものだった。
「いい加減、仲間ごっこは卒業しよう」
突きつけられた現実。
だが、それでもかつての仲間との絆を信じて、笹丸は『彩生祭(あやなしさい)』に懸ける。
『赤組』として共に作品を作り上げる中で、また以前のような関係が築けないかと。
最初はそっけなかった少女たちも、昔から変わらず真っ直ぐな笹丸の態度に――
一人、また一人と、作品作りに手を貸していくようになっていく。
彩生祭の結果そのものは失敗に終わってしまったが、作品作りを通して築かれた新たな関係。
その中で、笹丸はかつてアララギに抱いていた淡い恋心を指摘される。
主人公も段々とアララギを意識していく――
その陰で泣く、ひよの気持ちにも気付かずに。
登場キャラクター
●崇 笹丸 (CV:木島宇太)
『四君子』の“竹”にして、本作の主人公。
家庭の事情によって、学園に一年以上も遅れて登校してきた。
妙なことに詳しく、豆知識を反芻することで精神統一を計るという特異な体質の持ち主。
また“和”を好む嗜好も手伝ってか、やや年寄り染みて見られがち。
身長が低いが、特に気にしていない。
彼はとにかく“仲間”という存在を大切にしており、取り分け自分を救ってくれた『四君子』とは、彼にとって絶対のもの。
譲れず、決して穢してはならない存在であると共に、命を懸けても守るに値するもの。
別れ別れになってしまった『四君子』の面々。
『赤組』における再会を、彼は心から楽しみにしている。
●与神 ひよ (CV:青山ゆかり)
『四君子』の“菊”にして、医学界の重鎮である与神家の令嬢。
名家にして資産家という家庭環境、優雅で理知的なふるまい、才能に恵まれ万事そつなくこなす天才肌だが決して努力を怠ることはない――という、非の打ち所のない完璧娘。
特に知性を感じさせる言動からも察する事ができる通り非常に知能が高く、幼い頃から医学者たちに囲まれて育ったせいか、医療面に関する知識も豊富。
しかし彼女自身の性質としては、医師というよりも看護師的な面が強い。
主人公とは兄妹のような関係だが、それと共に彼を“患者”と捉えている節があり、その介護こそが自分の役目だと思い込んでいる。
『四君子』と別れることになってしまった主人公とは、ずっと手紙のやり取りが続いていた。
●夢乃 蘭 (CV:有栖川みや美)
『四君子』の“蘭”にして、主人公の一つ年下の『赤組』。
例え何かで落ち込み、下を向いて歩くような事があろうと――と彼女が傍にいるだけで自然と上を向いて歩ける元気をくれる、明るくも朗らかな性格のムードメーカー。
小さな身体ですべてを包み込む聖母のような度量と愛情に溢れた彼女だが、時折、妙ちくりんなルールを持ち出しては周囲を混乱させる――とその名を通称『アララギルール』。
別名『頭取の教え』。
それは彼女が恩人として慕う存在の教えから成るものなのだが、どこでどう曲解したのか、彼女が取っている行動はどこからどう見ても「おっさん」である。
しかし、「おっさん」と言われると怒る。
でもおっさん。
●樫 春告 (CV:さくらはづき)
『四君子』の“梅”にして、主人公の一つ年上の『赤組』。
いつも背筋を真っ直ぐに伸ばした、堅物のお姉さん――という印象を受けるが、「この学園で平穏に生きていきたかったら逆らってはならない存在の上位。っていうかぶっちゃけ一位っていうかぶっちぎりでトップっていうか、ハッキリ言ってこいつだけは敵に回すな」として恐れられている姉御。
ひよ曰く、「わたくしが入学した時には、すでに学園のボスとして君臨していた」とのこと。
特に何はなくとも子供の頃からなんとなくそんな意味づけになってしまうので、本人的にはもう慣れたもの。
その正体はエロ大王。
突拍子もなく下ネタを振っては、周囲を混乱させている。
特にひよに関しては並々ならぬ思い入れがあるようで、わざと怒らせるような言動を取ってはひよに責められ、その度に恍惚とした表情を浮かべているという、複雑な性癖を持つ変態である。
またアララギとは大の仲良しで、いつも二人一緒にいる。
主人公たちにとっては、良きお姉さんとしての位置づけだった。
●若 (CV:真中海)
“生徒会長の使い”として主人公の前に姿を表した、不思議な雰囲気を持つ少女。
生徒会としての役割をこなす彼女の印象は「冷たい」「事務的」といったものだが、「お姉さま」と慕うひよに対する姿は、また印象が異なる。
その反面、とにかく主人公を嫌っており、どことなく爺臭く感じられる彼を「じじぃ」と呼び、そしてひよに慕われる彼を激しく攻撃対象としてロックオン。
どこからともなく包丁を取り出す日々。
「ミルクティーをみるくちーと呼ぶこだわり、大事にしよう」とわけのわからないことを言い出す、ミルクティー大好きっ娘。
●青姉妹 (姉CV:海原エレナ 妹CV:霞春香)
『青組』所属の生徒で、学園の秋の文化祭『彩生祭』を競い合うライバル。
青組であることに対してとても強い誇りを抱いており、主人公との出逢いにおいても青の賛歌を掲げ上げた。
しかし熱弁のあまり自己紹介もしないものだから、主人公に『青姉(あおねえ)』『青妹(あおまい)』とそのままのあだ名で呼ばれる事となった。
まるで台風のような印象であり、姉が声高に賛歌を掲げると、姉の背から妹がひょっこり顔を出しては復唱する。
気の強い姉とそれに追従する妹、といったようにも受け取れるが、妹はどちらかというと謎の言動が多く、強気ながらも純情な姉と異なり、何を考えているのかつかみきれないところがある。
姉妹仲はいい。
どうしてか、ひよは彼女たちに対して怯えるような態度を見せる。
●人 玲人 (CV:紫原遥)
『黒組』所属の生徒で、彩生祭を競い合うライバル。
理知的な雰囲気を持つ美男子だが、どことなく病弱で神経質そうな部分も垣間見える。
だが、その意思は強く固く、いかなる苦境にも挫けない鋼の精神を持つ。
●半 宣雄 (CV:杉崎和哉)
『白組』に所属する、彩生祭を競い合うライバル。
不敵な口調、粗暴な態度と、その言動はまさしく霊峰たるこの学園において白組を「よろしくない噂の絶えないクラス」へと変えた張本人そのものである。
●鬼武先生 (CV:瀬木幸)
霊峰たるこの学園で教鞭を取る職員にして、主人公たち『赤組』の担任。
女性ながら長身のその身を男物のコートに包み、切れ味の鋭い言動、また二の句を告げさせない威圧感を有する。
その厳格にして貫禄溢れる態度から、主人公は当初「ただものじゃない」と気を引き締めて彼女の授業に取り組んでいたが――と確かに、彼女はただものではなかった。
彼女は重度の“思春期特有のアレ”な人で、その度合いたるや他の追随を許さない。
毎朝のHRで見せる一連の動作は、生徒たちにとってはもはや朝の風物詩と化している。